同じ運動をしても、体が慣れてくると消費カロリーは少なくなる?

有酸素運動のQ&A

毎日2時間ほどフィットネスバイクを漕いでいるのですが、体が慣れてくると同じ時間を漕いでも消費カロリーは下がりますか?

そのようなご質問をいただきました。

同じ運動をした時に、まだ運動に慣れていない時と、その運動に慣れてきた時では、消費カロリーに違いがあるのか?

とてもいい着眼点だと思います。

今回はそのようなご質問に、ジムのトレーナーがお答えします。

体が慣れると消費カロリーは下がる?

【結論】
体が慣れてくると、同じ運動をしていても、初めの頃と比べて消費カロリーが少なくなる可能性があります。

初めてフィットネスバイクを漕ぐとき、身体はその運動に適応するために多くのエネルギーを消費するので、通常よりも消費カロリーが高くなります。

しかし、継続的に同じ運動を行っていると、身体は運動に適応し、消費カロリーが少なくなることがあります。。

なので、今回のご質問にあった、同じ2時間のフィットネスバイクでも、漕ぎ始めの頃と慣れてきた最近とでは、消費するカロリーが違います。

その根拠として、次の3つのことが考えられます。

理由①省エネで運動できる

まず1つめは、エネルギー効率の向上です。

たとえば、同じ運動するのに「10」の力が必要だった人が、「5」の力でできるようになったという感じです。

マラソンなどでも、普段走る習慣がない人が3kmでも走ると、すごく体力を使って疲労困憊になりますよね。

呼吸が乱れて、脚もパンパンになると思います。

ですが、それを何ヶ月も続けていくと、あまり疲れずに3km走れるようになります。

最初は自分の体力のすべてを使っていましたが、慣れてくると半分くらいの力で走れるようになるという感じです。

同じ運動を省エネでできるので、消費するカロリーも少なくなります。

 

これが「エネルギー効率の向上」です。

理由②体力がついてくる

2つめは、心拍数と呼吸率の低下です。

運動に慣れてくると、同じ強度の運動を行っても、心拍数と呼吸率が下がることがあります。

その運動をした時に、以前は心拍数130くらいだったのが、今は110までしか上がらないなどです。

これは、身体が運動に適応し、酸素をより効率的に利用できるようになる結果です。

つまり、体力がついてきたということです。

今回のポイントは、運動に慣れると体は効率よく運動ができるようになるので、本来は良いことです。ただ、それによって消費するカロリーは少なくなるので、コスパのいい体になるということは、ダイエットに関しては非効率になってしまうということです。

私の場合、水泳を始めた当初は25mを10本でも泳ぐとバテバテになって、かなりの体力を消耗していました。

ですが、体力がついてくると25mを10本泳いだくらいでは疲れなくなってきます。

なので、同じ運動をしても体力がついてくると、消費カロリーが減少する可能性が高まります。

 

これが「心拍数と呼吸率の低下」です。

理由③エネルギーを節約する

3つめは、エネルギー消費の適応です。

これは長い間その運動を続けていると、体はエネルギーの消費を最小限に抑えるために適応することがあります。

これは人間の進化的な観点から説明され、身体はエネルギーを節約しようとする傾向があるとされています。

たとえば普段の仕事でも、新入社員の頃ってまだ仕事になれていないので、1日働いただけでもクタクタになりませんでしたか?

ですが、何年もその仕事を続けていると慣れてくるので、それほど疲れなくなってきます。

私もトレーナーを始めた当初は、お客さんと一緒に腕立てや腹筋をしたり、重り(プレート)の付け替え作業を1日中やっているので、仕事後はクタクタになっていました。

ですがその仕事を何年も続けていると、それが当たり前になります。

たまにお客さんから「武内さんってラクそうに仕事しますね」って言われますが、18年もこの仕事をしていれば慣れてきます。

仕事に手を抜いているわけではないです(笑)

あまりエネルギーを使わずにできるようになるということは、カロリーの消費も少ないということです。

なので最初の頃から比べると、同じ運動をしても消費カロリーが少なくなります。

 

これが「エネルギー消費の適応」です。

まとめ

同じ運動をしていても、体が慣れてくると消費カロリーは減る可能性も考えられます。

そのため、以下のことを意識しながら行ってみてください。

  • 運動強度を上げる
  • 運動時間を増やす
  • 心拍数などで管理する

今回の質問者さんはすでに2時間も漕いでいるとのことなので、運動時間はもう増やさなくて大丈夫です。

「運動強度を上げる」「フィットネスバイクを漕ぐ前に筋トレも行う」「ランニングなど他の運動も組み合わせる」などがおすすめです。

ぜひ参考にしてみてください。

 

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