有酸素運動をやると筋肉まで落ちてしまうのか?【研究データあり】

有酸素運動のQ&A

痩せるためにスピンバイクを買って毎日漕いでるのですが、休日は時間が有り余っているので1時間以上漕ぎたいです。 例えば午前で1時間漕いで、しばらく空けて午後からも1時間漕ぐと筋肉量は減ったりしますか?

最近はこのようなご相談が増えていて、フィットネスバイクやジョギングなどの有酸素運動をしたいけど、筋肉が落ちてしまわないか心配という声が多いです。

そこで今回は「有酸素運動をすると筋肉が落ちてしまうのか?」について、実際の研究データと、私の見解もお話したいと思います。

有酸素運動で筋肉が落ちてしまわないか心配という方は、ぜひ最後までご覧ください。

結論

有酸素運動で筋肉が落ちるかどうかは、「運動の強度」「時間」「栄養状態」「個々の体質」などによって異なります。

基本的に、適度な有酸素運動であれば、脂肪をエネルギーとして使うので、極端に長時間行わない限り、筋肉が燃焼することは少ないです。

なので、基本的にダイエット目的であれば、脂肪燃焼のために有酸素運動を行うのはおすすめです。

ただし、数時間にわたるマラソンなど、長時間にもわたる有酸素運動となると、筋肉を分解する可能性が高まります。

そのため、有酸素運動をやりすぎた場合、「筋肉が落ちる」ということはありえます。

そこで実際に、有酸素運動と筋肉の減少についての研究データを3つ紹介します。

研究データ1

研究内容 中強度の有酸素運動を8週間にわたって実施した被験者を対象に、筋肉量の変化を調査
結果 有酸素運動のみを行ったグループでは、わずかに筋肉量が減少したが、筋力トレーニングを併用したグループでは筋肉量が維持または増加した。
データ 中強度の有酸素運動(週5回、1日45分)を8週間行うと、筋肉量の減少は約1-2%程度

 

研究データ2

研究内容 マラソントレーニングを行うアスリートを対象に、長時間の有酸素運動が筋肉分解に与える影響を調査
結果 グリコーゲンが枯渇するまでの非常に長時間の運動(2時間以上)では、筋肉のアミノ酸がエネルギー源として利用され、筋肉の分解が増加した。
データ マラソン訓練(週4回、1回2時間以上)を12週間行うと、筋肉量の減少は約3-4%程度

 

研究データ3

研究内容 適切な栄養摂取(特にタンパク質)と有酸素運動の組み合わせが筋肉量に与える影響を調査
結果 高たんぱく質食を摂取しながら有酸素運動を行った被験者は、筋肉量の減少が少なくなり、むしろ筋肉量の維持または増加が見られた。
データ 高たんぱく質食を併用した場合、有酸素運動(週5回、1日45分)でも筋肉量の減少はほとんど見られず、むしろ筋肉量が増加することもある。

 

これらのデータをまとめると「筋トレも行えば筋肉を維持できる」「2時間以上の有酸素運動は筋肉が減少する」「高たんぱく食を摂ると筋肉を維持できる」という結果が出ています。

実践的なアドバイス

一般的なダイエット目的であれば、次の3つを意識しましょう。

  • 有酸素運動は30~60程度を週3~5回
  • ウエイトトレーニングを週2~3回組み合わせる。
  • 1日に体重×1.5g程度のタンパク質を摂取する。(体重60㎏の人ならタンパク質90g程度)

これらはスポーツクラブなどでも指導されている内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

 

筋肉を維持するための筋トレについては、こちらの記事で紹介しています。

リスク許容度

どのようなことにも、リスクやデメリットがあります。

そこで考えたいのが「あなたは何を大事にしているのか?」「何に対しての優先度が高いのか?」です。

これをリスク許容度といいますが、リスクやデメリットをどれだけ自分が許せるかです。

もしあなたがボディビルをやっていて、せっかくコツコツと積み上げてきた筋肉を、少したりとも減らしたくないというのであれば、有酸素運動は控えた方がいいかもしれません。

逆に、少しくらいの筋肉減少は覚悟の上で、それでも「痩せたい」「脂肪を落としたい」という気持ちが強いのであれば、ダイエットに有酸素運動を取り入れるのもありです。

 

「どのような効果を最優先に得たいのか?」を考えてみましょう。

たとえば、ボディメイクよりも健康の意識が高い方は、人工的に作られたプロテインやサプリメントを「体に悪い」といいます。

美容の意識が高い方は、紫外線による日焼けのリスクを考えて、屋外での運動は控えるでしょう。

私はサッカーをしているので日焼けをしていますが、美容系の方からは「そんな肌に悪いことは良くない」といわれます。

プロテインを飲んでいるときに、健康派の人から「そんな添加物たっぷりの物を摂るなんて良くない」と怒られたこともあります。

そのように、何をするにしてもリスクやデメリットはありますし、反対派の人はいます。

「どうなりたいのか?」「何を大事にしているのか?」など、目的や価値観は人によって異なります。

正解は人によって違うということですね。

それと同じように、有酸素運動による筋肉の減少を、あなた自身がどれだけ許容できるかを考えてみてください。

まとめ

一般的には、適度な有酸素運動では筋肉の減少はほとんどありません。

そして適切な栄養摂取と筋トレを併用することで、筋肉を維持できます。

ただし、わずかな筋肉の減少も避けたい方は、有酸素運動を控えるというのも選択の1つです。

 

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