あなたはこのようなことを聞いたことはありますか?
・筋トレ後の有酸素運動はダイエット効果が高い
この『有酸素運動』とは一体何なのか。
あなたは正しく理解していますか?
なんとなく意味を理解しているつもりだけど、実はイマイチよくわかっていないかも…
言葉はよく耳にするけど、改めて聞かれるとよくわからないですよね。
そんなあなたに、ジムのトレーナーがわかりやすくお教えします。
・トレーナー歴18年
・スポーツ専門学校の非常勤講師
・著書「ダイエットは目標設定が9割」ほか
有酸素運動とは?
有酸素運動とは、体に酸素を取り込みながら行う、比較的軽い運動のことです。
体の中の脂肪や糖を燃やしてエネルギーを作るので、ダイエット効果の高い運動です。
具体的には以下のような特徴があります。
- 低〜中強度の運動強度(息が上がりすぎず、会話ができるくらい)
- 持続時間が15~20分以上(2~3分でも意味はある)
- 歩く、走る、跳ねる、踊るなど、全身を使う運動
有酸素運動と無酸素運動の違い
有酸素運動とあわせて覚えたい言葉が、『無酸素運動』です。
無酸素運動って、筋トレのことじゃないの?
半分正解、半分間違いです。
有酸素運動と無酸素運動には、エネルギー生成の仕組み、運動強度、持続時間、主な効果など、次のような違いがあります。
有酸素運動 | 無酸素運動 | |
エネルギー生成の仕組み | ・酸素を使用して体内の糖質や脂質をエネルギー源とする。 ・体内に糖や脂肪がある限り、継続的にエネルギーを生み出すことができる。 |
・酸素を使わずに、筋肉に蓄積された糖質を分解してエネルギー源とする。 ・短時間で大量のエネルギーを生成できるが、乳酸が蓄積されやすい。 |
運動強度と持続時間 | ・低〜中程度の負荷で長時間継続できる。 ・1回20分以上、または1日30分の運動が推奨されている。 |
・短時間で高い負荷をかけて行う。 ・乳酸の蓄積により、長時間続けることはできない。 |
効果 | ・脂肪燃焼の効果が高く、ダイエットや体重管理に効果的。 ・心肺機能の改善や、骨粗鬆症の予防などが期待できる。 |
・筋力の向上と筋肉量の増加が主な目的。 ・基礎代謝の向上に効果がある。 |
運動例 | ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など。 | 筋力トレーニング、短距離走、ウエイトリフティングなど。 |
これらの違いを理解することで、目的に応じて適切な運動を選択し、効果的なトレーニングを行うことができます。
また、両方の運動をバランスよく組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
有酸素運動の効果
有酸素運動は、健康維持や体力向上に効果的な運動として広く知られています。
その主な効果は、以下の6つに分類できます。
脂肪燃焼効果
有酸素運動は、体内の脂肪をエネルギー源として利用する特徴があります。運動を15分以上継続すると、体は主なエネルギー源を糖質から脂肪へと切り替えます。これにより、体脂肪の減少や体重管理に効果的です。特に、内臓脂肪の減少にも繋がるため、メタボリックシンドロームの予防や改善にも役立ちます。
心肺機能の向上
有酸素運動は心臓と肺の機能を強化します。継続的な運動により、心臓は一回の拍動でより多くの血液を送り出せるようになり、肺の酸素取り込み能力も向上します。これにより、日常生活での疲れにくさや息切れの改善が期待できます。
血圧の安定化
規則的な有酸素運動は血圧の安定化に寄与します。運動による血管の拡張や、心臓機能の向上により、血液の循環が改善されます。これは高血圧の予防や改善に効果があり、心臓病のリスクを低減させる可能性があります。
ストレス解消
有酸素運動には精神的なストレス解消効果があります。運動中に分泌されるエンドルフィンは、気分を向上させ、ストレスや不安を軽減する作用があります。また、運動そのものが気分転換になり、日々の悩みから一時的に解放されることで、メンタルヘルスの改善にも繋がります。
睡眠の質の向上
適度な有酸素運動は、睡眠の質を向上させる効果があります。体温の上昇と下降のサイクルが睡眠リズムを整え、深い睡眠を促進します。ただし、就寝直前の激しい運動は逆効果になる可能性があるため、運動のタイミングには注意が必要です。
認知機能の改善
有酸素運動は脳の健康にも良い影響を与えます。運動による血流の増加は、脳への酸素や栄養の供給を促進し、認知機能の維持・向上に寄与します。特に、記憶力や集中力の改善、さらには認知症のリスク低減にも効果があるとされています。
有酸素運動の始め方
有酸素運動を始める際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 自分の体力に合わせた運動強度から始める
- 徐々に運動時間や強度を上げていく
- 週3〜5回、1日30分以上を目安にする
- 楽しみながら継続できる運動を選ぶ
有酸素運動は、年齢や性別を問わずに始めやすいというメリットがあります。
さらに、特別な道具や施設を必要とせず、日常生活に取り入れやすいのも魅力の1つです。例えば、通勤時に1駅分歩くとか、エレベーターの代わりに階段を使うなど、小さな習慣から始められます。
ただし、いきなり頑張りすぎると、逆効果になる可能性があります。特に運動習慣のない人や高齢者、持病のある方は、医師や専門家に相談の上、徐々に運動強度を上げていきましょう。
まとめ
有酸素運動の効果は、科学的にも証明されており、長期的な健康維持に大きく貢献します。
小さな習慣の積み重ねが、あなたの人生を大きく変える可能性を秘めています。
今日から自分に合った有酸素運動を見つけ、健康的な生活への第一歩を踏み出してみませんか?